馬瀬川で鮎を釣る
岐阜の馬瀬川は、掛かった鮎がよく引く川です。背掛かりが多く、21〜25cmが出る日もあります。
一方で川の規模は小さく、淵が多い。釣りになるポイントが限られ、混んだときの逃げ場がありません。タイミングが合ったときに入る川、というのが2シーズン通っての実感です。
下馬瀬(馬瀬川下流漁協)を中心に、上馬瀬・和良川も含めて通ってきたなかで分かったことを書いていきます。
この川の鮎は何が違うか
とにかくよく引きます。
2025年7月21日は、21〜25cmが10匹。
引水の影響か調子よく釣れた。ほんとによく引く。本来の背掛かりDNAの鮎の釣りを味わえる。背掛かりも多かった。
背掛かりが多いのがこの川の特徴です。2025年7月13日も、泳がせで元気のいい鮎を釣り上げて満足しました。おそらく背がかりDNAの鮎だったんじゃないかと思います。
そのぶん取り込みは難しくなります。7月21日は水中糸切れ・オトリ切れ・取り込み失敗で4匹をロスト。 2026年7月12日には19〜22.5cmを相手に、
瀬の中でかかって走られまくり、キャッチできないし、大きくて抜き上げられなかった。
サイズと引きが釣果に直結しない、という川です。

9月の型は別格でした。 2026年9月6日は27.7cmと23.5cmの2匹。数は出ませんでしたが、この年に釣った鮎ではいちばんの型です(それまでの最大は8月2日、高原川の23cm)。
この日は郡上で状況を聞いてオトリだけ買い、馬瀬へ移動しています。和良川筋も広瀬地区も石色が悪くて見送り、最後に入った集会場の前での 2匹でした。数を狙う日ではないと分かったうえで、型を取りに行ったという一日です。

これは川の性格ではなく、放流している鮎の系統によるものです。背掛かりが出るのは馬瀬川下流漁協の区間で、ここには背掛かりで掛かった鮎を親として採卵し、養殖した鮎が放流されています。掛かり方の癖が受け継がれている、ということです。
漁協自身が「ジャンボ背掛かりDNA鮎の里 シモマゼ」を掲げていて、毎年の鮎釣り大会もこの名前で開かれています。看板にするくらい、ここの鮎の特徴として定着しているということです。
種苗は宮城県加美町の宮城鮎工房が育てているもので、ブランド名を「はやせ鮎」といいます。水車を通常の倍の速さで回して流れを速くし、追い性の強い鮎に育てるのがこの工房のやり方です。追ってくる勢いが強ければ、オトリの上を越えて背に掛かる確率も上がる——という理屈は通ります。
なお、この放流の系統については漁協の公表資料には出ていません。現地で聞いた話をもとに書いています。
正直な評価
正直なところも書いておきます。2026年7月19日、和良川筋が垢腐れで早々に終了した日のことです。
今年は年券を買い増しましたが、来年は買わないと思います。川自体の規模も小さく、淵も多いため、釣りになるポイントが少なく、逃げ場もないため、いいタイミングで入るぐらいですが…… あゆは多いんですけどね。
鮎はいる。でもポイントが少なく、状況を外すと打つ手がない。初めて行く川としては勧めにくく、条件が良いと分かっている日に入る川と考えたほうがいいと思います。
同じ日に、こうも思いました。
一般的な視点で見ると、ここがいい時には、上馬瀬・和良川・白川もいいと思うので、お客さん来ないですよね。
裏を返せば、混みにくいということでもあります。 2026年6月6日の解禁日は「ポイント的に混雑してなく、のびのび竿を出せた」状態でした。

2026年6月6日、下馬瀬の解禁日。両岸を山に挟まれた小規模な渓相
解禁日に釣行すると、反応の良さ・追いの良さがはっきり分かります。背掛かりDNAが入っている、というのは実感として本当です。
なかなか差が付きにくい釣りではありますが、記載のある時期に入るならやってみる価値はあります。実際、自分もそうしています。
シーズン
6月(解禁)
解禁日が狙い目です。 2026年6月6日、初めて解禁日に入りました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 和良川漁協との境より下流 |
| 時間 | 5時〜15時(休憩なし) |
| 釣果 | 34匹、14〜19.5cm |

掛かる鮎はほぼ17〜18cm。追い星のはっきり出た魚が多かった

5時から15時まで休憩なしで34匹
この日の組み立てが具体的です。
- 早めに出て深夜に現地着
- クラブハウス馬瀬川が夜中でもオトリ鮎を販売していたので購入
- 真っ暗な中、オトリと引き舟を川に沈めて車中で仮眠
- 朝5時から開始。すぐ入ったポイントは当たりはあるが針掛かりせず
- 7時15分ごろ、瀬の中で掛かり始める
- 先行者の対岸から竿を出すなどして午前中を通す
- 午後は陽が差し込んで反応が良くなり、基本は泳がせで数を伸ばした
午前は引き釣り、午後は泳がせという切り替えが効いています。
6月中旬
垢腐れに当たると厳しくなります。 2026年6月14日は7匹。
とにかく垢が腐っていて転びまくりました。しっかりとした雨で洗い流してからが、本番ですね。
公民館前は反応がなく、トロ場で夥しい数の群れ鮎を見つけたところで見切って和良川へ移動。

人が多く竿を出せる場所も少ないなか、竿抜けを中心に狙って8匹掛け、1匹を根掛かりでロスト。
7月(盛期)
サイズが上がります。
| 日付 | 場所 | 釣果 |
|---|---|---|
| 2025年7月13日 | 下馬瀬 | 4匹(20〜21cm)10時半〜14時半 |
| 2025年7月21日 | 下馬瀬 | 10匹(21〜25cm)8時半〜15時 |
| 2026年7月12日 | 和良川筋 | 6匹(19〜22.5cm)13時半〜15時半 |
| 2026年7月15日 | 上馬瀬 | 16匹 8時〜18時(ガイド) |
| 2026年7月17日 | 上馬瀬 | 10匹 9時〜15時 |
| 2026年7月19日 | 和良川筋 | 2匹(垢腐れ・早々に終了) |
7月中旬〜下旬は垢腐れと蒸れが出ます。2026年7月19日は馬瀬川筋も和良川筋も釣れる状況ではなく、「一度水が出てどのような状況になるか気になります」と締めています。
8月
2025年8月14日、和良川で残り垢狙い。
数は出ないがサイズは大きい。トロ瀬の沈み石でかかるが、口掛かりが多い。
トロ瀬の沈み石を狙う釣りに変わります。
区間とポイント
下馬瀬(馬瀬川下流漁協)
- 和良川漁協との境より下流 — 2026年6月6日の解禁日に34匹
- 公民館前 — 2026年6月14日は反応なし。近くのトロ場に群れ鮎
- 和良川筋 — 下馬瀬側から入れる区間。2026年7月12日に19〜22.5cm
ここに挙げた場所より、さらに下流の金山町東沓部です。2026年9月6日の昼、玉網に取り込むところを撮っています。カードを押すとその場で再生でき、撮った場所も地図で出せます。
上馬瀬
- くるみ淵 上流
- 名丸橋 下流(採石場前) — 2026年7月17日に10匹
この日は石色で釣り分けています。
石色が白く見えるグレーの色の石の周りで3匹、その後、木の被さったポイントを短竿で攻略して4匹。
パスカル清見より上流が良い、という話も聞いています。ただし2005年に九頭竜川で会った釣り人から聞いた話なので、いまの状況は分かりません。
和良川
2025年8月14日に4匹。トロ瀬の沈み石。
通っているのは馬瀬川上流漁協と馬瀬川下流漁協の2つです。この記事の釣行も、すべてこの2漁協の区間に入っています。
これまでに入った場所と、見て回って目を付けた場所です。GPSの記録と、その場で地図に落としてきた地点をまとめてあります。
漁協の境目
この川は3つの漁協に分かれています。どこで券が変わるかを先に押さえておくと、間違えて入る事故が防げます。
上流から順に、こうなっています。
| 境目 | 場所 | 上流側 | 下流側 |
|---|---|---|---|
| 馬瀬大橋 | 下呂市馬瀬下山 | 馬瀬川上流漁協 | 馬瀬川下流漁協 |
| 和良川の合流点付近 | 下呂市金山町岩瀬 | 和良川漁協 | 馬瀬川下流漁協 |
馬瀬大橋より上が上流漁協、下が下流漁協です。遊漁料も年券の額も違うので、下の「遊漁券とアクセス」の表で確かめてください。
和良川筋は、下馬瀬側から入れる区間と和良川漁協の区間が分かれます。金山町岩瀬のあたりが境で、そこより上は和良川漁協の券が要ります。和良川には本解禁の前に特別解禁があるので、時期によってはこちらを狙う手もあります。
入川点・駐車スペース・トイレ
この川は、車を停める場所と川へ降りる道が分かれば半分終わります。通いながらGPSで拾った地点です。上流から下流の順に並べています。
駐車20か所、トイレ15か所、橋と淵の名前が26か所。トイレの位置まで入れているのは、朝から夕方まで川にいる釣りだからです。
入る場所と、そこからどう動くかは別の話です。実際の足取りを重ねておきます。上流と下流で歩く距離がまるで違うことが分かると思います。
2024〜2026年のあいだに、この範囲へ 21回・のべ95時間。
軌跡を読み込んでいます…
「駐車」は自分が停めた場所と、車が停まっているのを確認した場所です。私有地や農道の入口ではないか、現地で必ず確かめてください。
釣り方
時間帯で引き釣りと泳がせを切り替える。 2026年6月6日は午前が引き釣り、午後は陽が差してから泳がせで数を伸ばしています。
泳がせが効く川です。 2025年7月13日は泳がせ、 2026年7月19日も垢腐れのなか「入ってすぐに泳がせで掛かった2匹のみ」。
竿抜けを狙う。 2026年6月14日、人が多く竿を出せる場所が少ないなかで竿抜けを中心に8匹掛けています。
短竿が効くポイントがある。 2026年7月17日、上馬瀬で木の被さったポイントを短竿で攻略して4匹。
石色を見る。同じ日、石色が白く見えるグレーの石の周りで3匹。
取り込みが最大の課題です。よく引く川なので、瀬の中で掛けると走られ、大きいと抜き上げられません。
ただ、それほど大きい鮎ではないので、上手な方なら苦労することはまったくないと思います。取れないのは腕の問題で、川のせいではありません。
関連: 鮎の友釣り上達への道
タックル
タモは自作の荒瀬タモを使っています。2025年1月、塗装前の状態で譲り受けたものを、カシュー塗装→水研ぎ→コンパウンドの工程で自分で仕上げました。よく引く川で瀬の中から抜くこの川には、軽い既製品よりこちらのほうが合っています。
道具の入手経緯や仕上げ方は鮎の友釣りをはじめる準備に書きました。
竿は通常の8.5〜9mで足ります。上流漁協でも下流漁協でも、使うものはほぼ同じです。木が被さったポイントを攻めるときだけ短竿に持ち替えます。
道具立ては鮎の友釣りをはじめる準備に書いたものと変わりません。
取り込みは、どの川でも同じやり方です。特別なことはしていません。引き抜きで取り込む、それだけです。川によって変えることはありません。
大会
下馬瀬鮎釣りグランプリが開催されています。
2026年8月16日に参加しましたが、「あまりにもでかいのが掛かってオトリにならず終了」で1匹。この川らしい終わり方です。
正式名称は**「ジャンボ背掛かりDNA鮎の里 シモマゼ 鮎釣り大会」**。主催はシモマゼカップ実行委員会と馬瀬川下流漁業協同組合で、 2026年8月16日(日)の回が第18回でした。
| 場所 | 岐阜県下呂市金山町地内 |
| 受付 | 馬瀬川下流漁協会館(組合事務所)6:00〜6:40 |
| 予選 | 8:00〜11:00 |
| 決勝 | 12:30〜14:30 |
| 競技方法 | 時間内の、オトリを含む総釣り匹数 |
| 定員 | 100名(女性は別枠予選あり) |
| 参加料 | 3,000円。入川券は別途(年券・日釣券・組合員証・優待券のいずれかが要ります) |
| 申込 | 参加申込書をFAXか郵送。メールでも受付 |
2026年の申込期限は8月14日17時でした。申込書と連絡先は馬瀬川下流漁協(0576-35-2137)かクラブハウス馬瀬川で確認してください。
7月12日には「遊鮎遊例会」にも出ています。池の島公園で、オトリ1尾・徒歩移動・4時間弱という競技でした。案内はクラブハウス馬瀬川のブログに出ます。
上流漁協にも大会があり、2026年は7月20日に開催されています。
日程も条件も年ごとに変わります。出るときは漁協かクラブハウス馬瀬川に確認してください。
現地への注意:鹿
雨の直後は鹿が出ます。 2026年5月22日の夜、和良川の特別解禁に向かう途中の出来事です。
フィッシング金山を周辺で突如目の前に鹿。急ハンドルを切ったものの完全には避けられず左のフロントに当たってしまいました。ヘッドライトはグラグラ、バンパーは凹んで、左フェンダーも変形。
結局その日は釣りを諦めて帰宅、翌日修理に入っています。
雨が降った直後は結構出没するので注意してましたが、皆さんもお気をつけください。
深夜・早朝に入る川なので、これは実際に効く注意です。
遊漁券とアクセス
オトリは深夜でも買えます。 2026年6月6日の解禁日、クラブハウス馬瀬川が夜中にオトリ鮎を販売していました。深夜着で仮眠してから朝一で入る、という組み立てができます。
年券は事前に購入しています(2026年5月16日に下馬瀬の年券購入と下見)。
関わる漁協
区間によって3つに分かれます。
過去の釣行写真
過去の釣行で撮った写真です。


- 岐阜県馬瀬川下流漁業協同組合鮎 日釣券 2,500円 / 年券 13,000円公式サイトを開く →
- 岐阜県馬瀬川上流漁業協同組合鮎 日釣券 3,000円 / 年券 16,000円公式サイトを開く →
- 岐阜県和良川漁業協同組合鮎 日釣券 3,000円 / 年券 13,000円公式サイトを開く →
下馬瀬から和良川筋に入ることが多いので、どこが境かを意識しておく必要があります。 2026年6月6日は「和良川漁協との境より下流」に入っています。
遊漁料はいずれも未確認です。オンラインは下馬瀬と上馬瀬がつりチケ、上馬瀬と和良川がFISH PASSに対応しています。
川の状況を見る
- クラブハウス馬瀬川のブログ — 現地の釣況。オトリもここで買えます
- 飛騨川・馬瀬川ライブカメラ — 出発前の水況確認に
遊漁料(2026年9月4日時点、各漁協の公式サイトより)
| 馬瀬川上流漁協 | 馬瀬川下流漁協 | |
|---|---|---|
| 鮎 年券 | 16,000円 | 13,000円 |
| 鮎 日券 | 3,000円 | 2,500円 |
| 雑魚 年券 | 7,000円 | 5,000円 |
| 雑魚 日券 | 1,500円 | 1,500円 |
現場売りは加算されます。上流は鮎3,000円・雑魚1,500円、下流は鮎2,000円・雑魚1,000円。買ってから川に入ったほうが安く済みます。上流漁協は高校生以下が無料、女性・19〜25歳未満・75歳以上・心身障害者は鮎の年券が10,000円になります。
2026年の鮎解禁は、上流漁協が6月13日(渓流は2月28日)でした。
和良川には本解禁の前に「特別解禁」があります。 2026年は 5月23日(土)・24日(日)の2日間で、本解禁は5月31日(日)でした。本解禁より1週間早く竿を出せるので、シーズンの入りとしてここを狙う手があります。
遊漁料は日釣り3,000円・年券13,000円(心身障がい者と女性は2,500円/12,500円、高校生以下は年齢確認書類があれば無料)。ルアー釣りは支流の鹿倉川に限られます。 2026年は5月30日(土)に和良川ペア釣り大会も開かれています。
自分は2026年の特別解禁に向かった当日、途中で鹿に当たって断念しました(その顛末は下の「現地への注意:鹿」に書いたとおりです)。
アクセス — 愛知県尾張北部から通っています。深夜移動して車中で仮眠、というパターンをとっています。
仮眠は道の駅を使います。金山に道の駅があるので、そこで休んでから入ります。馬瀬川上流漁協の脇にも駐車スペースがあり、そこで休むこともできます。
所要時間は、自宅の場所が分かってしまうため書いていません。
近くの川と組み合わせる
馬瀬川がダメな日は、他へ移る判断をしています。
- 2026年7月19日 — 下馬瀬(2匹)から郡上へ移動して10匹
- 2025年7月13日 — 逆に郡上が入る場所もなく、下馬瀬へ移動して4匹
ここがいい時には、上馬瀬・和良川・白川もいいはずです。白川も選択肢に入ります。
数が伸びにくい時は、支流の白川や上馬瀬に移動すると釣果が得やすい—— これは鮎の友釣り上達への道にも書きました。